名前のこと

 友人が日記を書いている。彼は昔、物書きを目指していたことがあり、文章はとても綺麗だしハイペースで長文の日記を書くので、時々覗いては大量の未読分の日記を読む。彼のデザインは美しいので、無性にそれが見たくなって訪れる。訪れた。

 表向きは謙虚だけれど、その内に誰よりも熱い闘志を秘めている彼は、持ち前の高いプライドに見合うだけの努力家で、そこそこの有名人になりつつある模様。

 

 彼がネット上で使っている名前はわたしが昔あげたものだ。もう、彼とわたししか覚えていないだろう。目を合わせずに一人で笑った。